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■虐待防止キャンペーンソングの公募〆切りは27日

 親から虐待された100人が書いた『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(Create Media編/dZERO刊)では、公式キャンペーンソングを公募中だ。
 興味があれば、今スグ下のリンクに飛んでほしい。
http://letters-to-parents.blogspot.jp/2016/04/songs.html

 3分以内のオリジナル・ソングを公募するものだが、ただキャンペーンソングとして使用できる楽曲を決めるものではない。

 1人でも多くのミュージシャンが「子ども虐待を減らしたい」という思いを作品に込め、楽曲をネット上に公開することで、1人でも多くのリスナーが「子ども虐待を減らしたい」という思いを分かち合えるようにしたいのだ。

 日本では、あまりにも子ども虐待が深刻化している。
 虐待される子どもは、圧倒的に力のある親の前で奴隷そのものになっている。

 力任せに娘を犯し、経済力で子どもの望む進路をねじまげ、「良かれ」と思って古い社会観を強いては、「あなたのため」をくり返す親たち。
 その醜い姿は、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を読めばわかる。

 それでも、子どもは苦しい今日を生き延び、もっと生きやすい明日を待ち望んでいる。
 しかし、大人になるに従って、「こんな私はもう幸せになれる自信がない」と下を向いてしまったり、「こんな弱い自分はダメ人間なんだ」と自分を責めるばかりで生きづらさを溜め込んでしまう人も珍しくない。

 そうした虐待の被害者の境遇を思う時、1冊の本だけでは彼らの世界観を変えることは出来ないだろう。
 そこで、音楽の出番だ。
 リズムとメロディ、歌詞と声に乗せて、聞く人が「1人でも虐待される子どもを減らしたい」という思いを分かち合えるような新しい歌を作ってほしい。

 〆切りは、2017年12月27日(※延長しました)。
 応募方法の詳細は、このページにある(※ページの下まで全部読もう)。
 すでに応募された曲は、このページで聞ける。

 では、どんな歌を作ればいいのか?
 既にある楽曲を例に、一緒に考えていこう。


●あなたはどの立場で、誰に向かって歌詞を書くのか?

 子ども虐待をテーマにした楽曲には、「どの立場で歌うか?」が問われる。
 ざっくり言えば、以下の5つだろう。
(※いずれも同じ立場のリスナーに届ける歌詞になる)

① 親から虐待された当事者の立場
② 子どもを虐待してしまいそうな(or してしまった)親の立場
③ 虐待されている子ども、虐待された当事者に語りかける立場
④ 虐待した親に第三者として語りかける立場
⑤ その他、親を虐待へと動機づける社会の仕組みに対する怒りや疑問を訴える立場

 では、それぞれの立場で歌われている楽曲を聞いてみよう。

① 親から虐待された当事者の立場


 イクラさんは、虐待された当事者の立場から、率直な思いを歌詞に込めている。

 自分に起こったことを具体的かつ赤裸々に綴ることが、歌詞に力を与えている。
 あいまいな表現より、気持ちをわかりやすく伝えることが大事だと学ばされる。

② 子どもを虐待してしまいそうな(or してしまった)親の立場



 この歌は、「親に殺された子どもが親を思いやる」という設定をとり、被虐待の経験者の苦しみを忘れさせたことで、多くの当事者から反感を買った。
 同時に、「虐待は親の心がけ次第」という根性主義を歌い、虐待があたかも個人的資質のみで引き起こされる行為であるかのような錯覚を与えたことから、親たちをさらに追いつめてしまった。

 親に反省を促すつもりで作られたのだろうが、虐待してしまう親には、すでに子育てを請け負えないほどの余裕の無さがあることをふまえないと、歌が親子を傷つけてしまう。
 この歌は、虐待の深刻さを知らないがゆえに、親・子の両方を孤立させ、子育てを親の自己責任の範囲にとどめようとする構えによって、多くの人から批判された。

 こういうダメな歌を作らないよう、今回の応募をする前には、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を必ず読んでおいてほしい。

③ 虐待されている子ども、虐待された当事者に語りかける立場


 この歌は1番で、未成年が教師にすら性の対象として見られている現実を歌い、そうした強者である大人の一人として親が子どもを虐待する構図を2番で浮き彫りにしている。
 そして、はっきりと、この同時代の社会を生きる未成年に向けて歌っている。
 過酷な現実から目をそらさずに、それをふまえてエールを送っている。

 これは、未成年が孤独の中で誰にも言えずいる怒りを分かち合っているからこそ書ける歌詞だろう。
 はっきりと、「キレていいんだよ!」と歌っているし、「絶望の平成」というフレーズにも怒りが端的に現れている。

④ 虐待した親に第三者として語りかける立場


 これは、一人称として被虐待児の立場をとりながら、虐待した親をリスナーに設定して第三者的に歌っている。
 自分は親から虐待されている。
 それでも、「深夜に物音がしてもわけは聞かないで」と言う。
 その子どものセリフが、とてもリアルだ。

 小さな子どもが虐待の不安を感じている時、親を思いやる余裕など無い。
 他人に助けを求めたのが親にバレたら、さらにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
 それが怖いから、「聞かないで」と言うしかないのだ。
 そのつらい境遇を知っているなら、自分を殺した親を子どもが思いやるような歌詞は決して書けないだろう。

⑤ その他、親を虐待へと動機づける社会の仕組みに対する怒りや疑問を訴える立場


 この歌は、3分以内で、日本の児童虐待がどれほど深刻なのかをデータを示すことで表現している。
 とくに、性的虐待の深刻さについて、ここまでハッキリ伝えた歌は他にない。

 児童虐待防止法が、虐待の「防止」ではなく、虐待された後の対症療法であり、その対症療法ですら万全なものでないことを明確に伝えている。

 この歌の魅力は、事実を的確に歌詞に反映させていることにある。
 感情論だけでは解決できないことの絶望をふまえているからこそ、歌詞に力が宿るのだ。

 他にも、公募サイトの一番下には、ジョン・レノンの『Mother』や1997年版の『日本一醜い親への手紙』の一部を紹介した動画があるので、参考にしてみてほしい。

 歌詞のみ、メロディのみ、歌唱のみしかできないという方は、この掲示板でネット上から仲間を募って応募してみてほしい。

 また、twitterで「#親への手紙」のハッシュタグで「私の歌詞にメロディとカラオケを作ってくれる方、いませんか?」とツィートし、公募サイトのリンクをつけておくと、「私が作りましょうか?」と声がかかりやすい。 


 〆切りは、12月27日。
 あなたのご応募を楽しみにしています。


 なお、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(Create Media編/dZERO刊)の制作費の不足分は、12月5日時点であと50万円台に迫っている。
 つらい過去を思い出しながら勇気をふりしぼって「親への手紙」を書いてくださった100名へ、年末までに1人1万円の謝礼をどうしても支払いたい。
 1000円の寄付でもうれしいし、5冊単位1万円からのサポート購入もありがたい。

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