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■おっぱい募金で触らせた・触った当事者の言葉

 AV女優たちのおっぱいを揉むと、エイズ予防活動資金になるという「おっぱい募金」について、中止を求めるネット署名がChange.orgに上がった。
 そのトンデモぶりについては、「おっぱい募金の中止を求める人たちがトホホな件」というブログで完全論破しておいたw

 今回は、そうした外野の声ではなく、この募金に参加した当事者たちの言葉をまとめておきたい。
 というのも、社会貢献になる寄付をより多く集めるには、同情より共感、共感より欲望に根差した動機形成が必要になるからだ。

 「かわいそうね」という同情より、「それは正しい。支持したい」という共感によって人は動かされる。
 しかし、共感できる情報が提示される前に日常的に感じている「生活上の不安を解消したい」とか、「人肌のぬくもりがほしい」などの欲望によって、人はさらに強く確かに動かされる。

 つまり、どういう欲望で人が動いているかを見れば、寄付・募金をどれだけ強く動機づけられているかを知ることになるのだ。
 では、自分のおっぱいを揉ませたAV女優たちの業界は今、どうなっているのか?

 あるいは、SPA!の2015年、AV業界の流行語大賞は『引退ビジネス」』という記事も参照されたい。
 アダルトビデオの世界で女優として生き残るのは、とんでもなく大変なことなのだ。

 そこで、女優たちが、少しでも自分の名前や顔、商品であるカラダを露出するチャンスを増やし、ファンを獲得したいと望むことは、彼女たちにとって生存戦略であり、日常的な欲望だろう。

 とくに新人なら、自分がAVの仕事で飯を食っていくためにも、プロモーションやファン獲得のために何かをしたいと思うのは当然だろうし、それが自分の関わる仕事でも不安要素の一つであるエイズの予防に寄与する募金活動なら、進んで参加したくなるのも道理ではないか?

 「乳福神」と呼ばれるAV女優たちは、おっぱい募金のサイト上で名前や顔、スリーサイズなどを公開するチャンスを得た。
 「会いに行けるアイドル」どころか、「おっぱいを触れるAV女優」の方にお金を出す価値があると考える消費者は、男だけではないだろう。



●触らせた当事者は、「ありがとう」とすら言ってい

 おっぱいを触らせるだけで、エイズ予防活動が活性化する。
 彼女たちは、商売道具である自分の体で「寄付」しているのだ。
 言ってみれば、プロボノだ。
 そんなプロの彼女たちの言葉を、ネット上から拾ってみよう。

 参加したAV女優のブログ記事からも引用しよう。

「『こんなことおかしい』『おっぱい募金を潰そう』って意見があるのも、そう思ってしまう気持ちがあるのもわたしは仕方のないことだと思います。
 悲しいけどね…
 わたしはJAEとこのおっぱい募金を通じて思ったこと、感じたことがあります。
 それは、どんな人とも笑いあえること
 JAEにもおっぱい募金にも本当にたくさんの方が来てくださいました。
 わたしが想像してたよりも外国人の方が本当に多くて。
 おっぱい募金でも4割から5割の方が外国人だったんじゃないかな?
 生まれた場所も性別も年齢も全然違うし、言葉が通じなくても、その日あったばっかりの人たちともエロを通じて笑いあえたんだよ!
 馬鹿らしいって思う人がいるかもしれないけど、それってすごーく大切なことだと思うんだよね。
 エロは国境も性別も年齢も超えて通じたのをわたしは実感したよ!
 だから批判する人は、あの場所にいって、おっぱい募金を体験してみてほしい。
 そしたら絶対笑えるから!
 みーんな笑ってたから!
 幸せな気持ちに少しでもなれるとおもう。
 わたしたちはみんなが笑って帰ってくれたから長い時間でも頑張れたんだよ!
 アダルトやエロってだけで否定批判されちゃうこともたくさんあると思う。
 それも仕方ないことだよね。
 でもね、エロって愛でもあるんだよ。
 おっぱい募金二日目にはね、可動式ベッドで来てくれた人もいたんだよ。
 言葉もあまり話せなくて、自力で動けなくて…。
 わたしはその方と触れ合わせてもらうことができて、お話させてもらえたんだけど、すごーくいい笑顔してたの。
 もうそれが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
 わたしは心からこのおっぱい募金に参加してよかったって思えたよ。
 世界でも日本でも悲しいニュースはたくさんあるよね。
 でもね、生まれた場所が違うからとか性別が違うからとか、障害をもってるからとか、LGBTだからとかで人を決めちゃいけないんだよ。
 知らないでいろいろいうのが一番怖いことだよ!
 どんな人とでも仲良くなれるし、おっぱい揉むだけで笑いあえるんだから!
 松浦ゆきな界隈ではこれからもたくさん笑っていようね!」
松浦ゆきなさんのブログより)

「募金中は恥ずかしがってる方が多くて、かわいいとか思っちゃいました。
 意外にもカップルや女の子同士と女性も多くて驚いたのです。
 あと、外国人が多かったということ!
 どんな人でも終わったら笑顔で帰っていく姿を見ると、エロって偉大だなと思いまんた。
 『ファンです!』や、『アリサちゃんに会いにきました!』や、『お疲れ様です!』の言葉を聞くと、つい嬉しくて泣きそうにたびたびなったり。
 消毒液が若干ひりひりしたけど、そんな痛みや長時間の疲れも吹っ飛ぶくらいでした。
 お客さんにも励まされたけど、スタッフさんの気遣いや休憩中のフレンドリーな感じにも癒されました。
 やっぱりパラダイステレビさん、すき。
 なんと最後のお客様はパラダイスの社長さんだったんだけど、もみもみかと思ったらまくりあげていたTシャツを元に戻しておっぱいに幕引きをしてもらったの。
 すごくかっこよかったです。
 そのときほんとに終わってしまったんだって、祭りの終を感じました。
 おっぱい募金は前回出演した子から話を聞いて一年前くらいから出たいと思って憧れてたから、出演が決定したときはすごく嬉しかったの。
 うれしかったことも大変だったことももちろんあって、だからこのイベントが終わってまだまだ寂しさと達成感に溢れてて、言葉にできないってこういうことなんだなと思いました。
 また24時間テレビでたいなあ。本当にたのしかった」
聖菜アリサさんのブログより)

 これらの言葉を読んでいると、日本がどれだけ性に対しておおらかな国であるかがよくわかる。
 彼女たちの言葉を読んでも、「搾取だ」とか「性差別」だという指摘を続けるのは下品だ。


 一方、触った人たちのブログ記事もリンクしておこう。

 ほかにも報告している人が増えているが、いずれも満足度の高い記述が目立つ。
 寄付シーンで、寄付する側がこんなに熱狂的にワクワクしながら笑顔で事後報告するようすは、まず見られない。
 賛否両論も含め、今回の寄付アクションが参加者たちに高い満足を与え、その結果として寄付者数も寄付額面もふくれ上がった事実は、社会貢献や寄付にかかわる人なら見逃せない。

 性にまつわるアクション(ビジネス・寄付・表現など)についてどれだけ多面的な視点を獲得しているかは、その人の社会性の度量をはかる一つの物差しである。
 性について隠させたり、泥臭いイメージを忌避したり、セックスワーカーの当事者自身のニーズをふまえずにあれこれ評価を下そうとするのは、極めて支配的な構えである。

 当事者の声を大事にしない「意識高い系」の人は、自分の胸に手を当てて、よぉ~く揉んでみよう。
 欲望こそが生きづらい社会を変えると、ピンとくるはずだ。

 なお、募金前からこの記事(←クリック)を真っ先に書いて、懸念される点は整理しておいた。
 この話題の〆めの記事は、こちら

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