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■さだまさしが1982年に書いた予言のような歌

 1982年に、シンガーソングライターのさだまさしさんは『夢の轍』というアルバムを発表した。
 その中の1曲に、『前夜 (桃花鳥 ニッポニアニッポン)』という歌がある。
 まずは、さださんがNHKで歌った動画を見てほしい。



 僕は、この歌を初めて聞いた17歳の時から、聞くたびに泣いてしまう。
 33年前の80年代初期に作られたこの歌の通りに、世界はすっかりアメリカが音頭をとる戦争を続ける場所になってしまった。

 歌詞は、希少動物となってしまった鳥「トキ」がわずかにしかいなくなってしまった現実から始まる。
 2015年の今日、ずっと絶滅危惧種だったトキは、日本ではもう野生では見られない。

 『前夜』でトキは、日本の象徴として描かれている。
 歌の通りに、今日の日本はまるでアメリカじゃないか。

 高度経済成長のころは、盛んに「一億総中流」と言われていた。
 しかし、その元気な経済の時代が過ぎると、待っていたのは格差社会だった。
 お金持ちの多くは自分の富を守りたがり、お金のない人たちの不遇を関心外にする。
 お金のない人たちは、まるで長く差別されていたアメリカの黒人のように、教育の機会も得られず、「経済的徴兵」と知りながらも自衛隊をめざす。

 経済だけじゃない。
 さまざまな渡来人や、それぞれの土着の文化を融合してきた歴史のある日本で、ヘイトスピーチや排他的な広告を平気でやる人たちも出てきた。
 海の向こうでテロば起これば、治安維持法のような法律を作りたがる人たちが出てきた。

 戦後70年が経っても、日本はまだアメリカの属国なんだろう。
 米議会に失脚される恐れがあっても、中国と仲良くし、遠い将来の国益を守ろうとした田中角栄のような勇気ある人材は、自民党にはもういない。


●情念を知るところから、希望を作り始めよう
 
 さださんは、『夢の轍』発表の2年後、1984年に『Glass Age 硝子の世代』というアルバムを発表し、『空缶と白鷺』という歌を歌っている。
 これは、『前夜』の続編のような歌詞だ。




 2016年。
 歌詞にある「彼に自由に唄を唄わせてくれるだろうか」という不安は、現実のものになってしまった。
 日本政府がどれだけ日本国内で自由な表現や報道について抑圧しているかを自ら認たようなものだ。

 日本政府は、子どもの権利や女性差別など、多くのシーンで国連からの改善勧告を受けている。
 まるでアメリカのように、自国の正義ばかりを主張する。
 もう、21世紀なのに…。

 こういうことは、論理だけで説明していても、なかなか重要性が伝わらない。
 だから、よかったら、さださんの歌を聞いてみてほしい。
 『夢の轍』には、裁判で有名になった『償い』も入っている。
 『Glass Age』は、アルバム収録曲の方が名曲ぞろいであることを教えてくれるだろう。


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