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■日本は民間で難民を受け入れている

 安倍晋三首相は2015年9月30日未明(日本時間)、国連総会でシリア・イラク難民の問題について、約972億円の経済支援を実施する方針を表明。
 「難民の一部を日本に受け入れることは考えていないか?」と質問した記者に、こう答えた。

「人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手がある。難民の問題には日本は日本としての責任を果たしていきたい。難民を生み出す土壌そのものを変えていくために貢献していきたい」

 ロイター通信は会見の内容を「安倍首相、シリア難民受け入れより国内問題解決が先」と報じ、イギリスのガーディアン「人権団体は、日本は高所得の国なのに、第2次世界大戦以降で最悪の難民問題に手をさしのべることに失敗していると強調している」と報じた。
 以上が、The Huffington Postで報じられた内容だ。一部には、「難民ではなく、難民を偽装して外国の恩恵で豊かに暮らしたい連中がいる」という批判もある。
 しかし、たとえ、そうであっても、母国の政治や社会があまりにも悪いために生まれてから今日まで長い長い間貧困に苦しんできた人が、他国でまともな暮らしを望む切実な気持ちを受け入れない世界に、きみは住みたいか?
 そもそも、ホームレスやニート、ネットカフェ難民、3・11の被災難民などの深刻な貧困問題を抱えてる日本が、「難民を生み出す土壌そのものを変えて」いけるだけの仕組みを提供できるか?
 そんなすぐれた仕組みが既に政府にあるなら、なぜ年間3万人の国民が自殺する現実を10年以上も変えられないんだ?

 それに、「難民を生み出す土壌そのものを変えて」いけるだけの仕組みがあるなら、援助金を難民支援国に提供する際にも、その金額の正当性を相手国に説明させ、費用対効果を問うのは当たり前だろう。
 しかし、安倍総理は難民が国際問題として表面化した直後に、発作的に約1兆円という巨額の金を諸外国へ放出した。
 安倍総理にとって難民問題は「人口問題」にすぎず、「人権問題」ではないのだ。



●日本人はすでに、民間で難民を支援している

 政治家がバカでどうしようもないのは、現実を良く知る日本人にとっては今さらの話。
 だから、民間では、日本へ必死の思いでたどりついたのに、仕事が無くて困っている難民の方々に仕事を提供する動きが、話題になる前から多様に試みられている。

 テレビ東京の番組「WBS」では10月1日企業と難民申請者の就職マッチング会が開催され、中東などからやってきた人々と民間企業が参加したことを報じた。
 同番組によると、「日本で難民認定の申請者が年々増加。しかし、去年5,000人の申請者に対し認定された人はわずか11人」という。

 難民認定は申請が受理されれば、その半年後から働くことが認められる。
 番組では、認定難民を雇い入れた民間企業として、八王子で金属部品を製造する栄鋳造所を紹介した。
 同社では、「海外への販路拡大をきっかけに難民たちを雇った。日に日に社員の外国人に対する不安はなくなり、今では3人の難民申請者が勤めている」という。

 一方、茨城にある金属部品を販売する会社には、イラン人の男性が勤めている。
 「以前ヨーロッパで仕事をしていた経験や8ヵ国の言葉を話す語学力に会社は期待している」という。
 難民として認定されようと、されまいと、雇い入れる日本企業は全国に点在しているはずだ。

 もちろん、職場では「言葉の壁」もあるだろう。
 それなら、言葉に依存しないコミュニケーションが可能な仕事を作り出せばいいし、そのように発想するのが知恵というものだ。
 そして、そのように知恵を働かせて、それまで解決は無理だと思われていた社会的課題を解決できる新たな仕組みを作り出すのが、社会起業家だ。

 僕の友人の社会起業家に、難民たちと一緒にネイルサロンを開業している「ARUSHA」という団体がある。
 手作業であるネイルの技術を学び、サービスを施せるようになれば、日本で仕事ができて生活に困らなくなるだけでなく、いざ母国に帰れる日が来たら、安心して働けるようにもなる。
 あなたの職場にも、言葉に依存せず、手仕事を見よう見まねで出来る仕事があるんじゃないか?

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