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■中国で貧困解決のソーシャルビジネス開始

 世界で一番有名な社会起業家のムハマド・ユヌス氏が、今度は中国でマイクロクレジット(少額融資)による貧困者支援を始めたようだ。

 Yahoo!ニュースによると、「香港のソーシャルビジネスを促進し、貧困問題や失業問題を解決する起業家の支援を目指す」という。

 世界2位の経済大国・中国は、日本やアメリカと同様、とんでもない格差社会になっている。
 しかも、貧困層の人口の多さは、他国の比じゃない。
 起業支援によって貧困から立ち上がれる人を増やす需要は、極めて大きいだろう。

 同ニュースで、ユヌス氏はこう言っている。
「グラミン銀行は最貧国であるバングラデシュでも、富裕層の多い米国でも、いずれも良い効果を生み出している。マイクロクレジットは、地域の文化的差異を越えられる」


 起業は、そもそも「弱者の選択肢」であり、貧困から立ち上がる生存戦略だ。
 これを知らないまま、起業を食わず嫌いしたり、食料や金を恵んでやれば支援になると考える人が、日本ではいまだに多い。
 しかも、貧困などの深刻な社会的課題を解決する仕組みを作り出す「社会起業」(ソーシャルビジネス)に至っては、多くの日本人が知らないでいる。

 もっとも、経産省はソーシャルビジネスの普及・啓発に努めてきているし、日本政策金融公庫はソーシャルビジネスを対象にした専門の支援ネットワークを立ち上げた。
 NPOでも、社会的課題を解決する仕組みを商品・サービスという形で収益化できるようにすれば、融資対象になる時代がすでに到来しているのだ。

 なぜ、そうした動きが加速しているかといえば、一つの要因として政治不信がある。
 自民党に社会的課題の解決を任せてても、らちがあかないのは、多くの人がわかってる。
 でも、「自民党を超えるだけの信頼を野党に寄せるまでには行かない」と思う人も少なくない。

 だから「政治家に任せてても社会は変わらない」と考え、戦後最低の投票率になった。
 また、課題解決を真っ先に政治家に望むのではなく、国民自身で民間から社会を変えていく事業の動きが60年安保の敗北から少しずつ始まっていた。

 国民自身が社会的課題を解決するのが自治であり、自治に基づいた対等な話し合いが民主主義なのだから、自治を放棄するような構えや発想は民主主義の放棄になる。

 社会的課題を解決するのに、ボランティアや寄付金では活動が持続可能にならないし、そこで太いスポンサーを年間で獲得すれば、解決の仕組みの精度を上げるように努力する動機は損なわれるし、スケールアウト(事業拡大)のモチベーションも頭打ちする。

 だから、課題解決ができるための資金を自らの収益事業によって確保する(=解決の仕組みを商品・サービスの形で市場価値を問う)試みを始めることになる。

 本当に課題解決のできる優れた仕組みなら、その商品・サービスは市場で支持される(=売れる)から事業活動の持続可能性も高まるし、売れることによって課題に苦しんでいた人々がより多く救える。
 それが、社会起業(ソーシャルビジネス)と呼ばれるものに育っていくわけだ。

 もっとも、そのように新しい時代を切り開く動きと逆行しているかのように見える現象もある。
 SEALDsの動きだ。

 若い彼らも、『ムハマド・ユヌス自伝』を読んでみたら、民主主義の実現の戦略も、自分自身の就活も、可能性を広げられるんじゃないかな。
 中国で展開するグラミン銀行に日本から投資するだけでも、中国人民からの共感を得て、それ自体が安保関連法の運用を阻止できる平和運動の一つにもなりうるってことにもピンとくるだろう。


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