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■日本の社会起業家の活躍を知ろう! ソーシャルデザインと従来の社会変革の違い

 ビジネスを通じて社会的課題を解決し、「よのなかの仕組み」を変える取り組みを、「ソーシャルビジネス」という(※昨今、ITビジネスを「ソーシャルビジネス」と呼んでるのは間違い)。

 このソーシャルビジネスを始めた人を「社会起業家」といい、実際に切実な課題を解決するビジネスをしている人を「社会企業家」という。

 すでに世界中に社会企業家は続出し、どこの国でも政府にとって代わるように社会的課題を解決できる公益性の高いビジネスを成功させている。

 マイクロソフトの重役の座を捨て、途上国に学校や図書館を建てまくっているRoom To Readジョン・ウッドや、貧困をなくすために画期的なマイクロクレジットの仕組みを作ったグラミン銀行ムハマド・ユヌスなどの名前は聞いたことぐらいあるかもしれない。

 今日では、民間の事業体(※企業やNPOなど法人格は問わない)である社会企業家たちが、政府がどうにも解決できないでいる深刻な社会的課題を解決するために立ち上がっており、それは世界的な同時多発ムーブメントと言っていい。

 もちろん、日本にも、彼らほど有名ではないし、まだまだ発展途上だが、優秀な社会企業家が生まれ、税金を使う政府の政策では救われない人たちの苦しみを放置せず、画期的な仕組みを開発して解決事業に乗り出している。

(自分の住んでる地域で子育てし合える仲間を作れる仕組みを作ったAsMamaの親子交流会)



●社会起業家の動画を1個ぐらい観てみよう!

 社会には、莫大な税金を費用対効果よく使えない政治や行政が、満足に解決できないまま放置・拡大している社会的課題が山ほどある。

 貧困、自殺、障がい者の就労、動物の殺処分、ひきこもり、難民、環境破壊、エネルギー不足、前科者の社会復帰など、挙げればきりがないほどだ。

 それらの課題に苦しんでる当事者たちが、日本にもたくさんいて、一刻も早い解決を望んでいる。

 なのに、日本で社会企業家がさほど注目を浴びていないのは、在京キー局のテレビや全国紙の新聞が取材する機会があまりに少ないからだ。

 日本のTVの社員プロデューサや新聞記者は、政府の動向にばかり関心を向け、民間で優れた解決の仕組みを生み出している現実を見ようとしないし、社会的課題に苦しんでる市民の存在にも関心が乏しい。

 関心をもたなくても、彼らは平均以上の所得が約束されている立場にいるため、べつに困らないからだろう。

 僕自身は、約10年前から社会起業家を取材し始め、実に多くのソーシャルビジネスがあるのを発見し、彼らの存在をより多くの人に知らしめるさまざまな取り組みを続けてきた。
(※このブログのTOPにある「社会貢献」をクリック)

 そのごく一部については、社会起業家自身による講義の動画を撮影・記録しておいたので、時間のある時に、ぜひ観てほしい(※2012-2013年時点のもの)。



 社会起業家のすごいところは、これまでの常識を塗り替える「新しいよのなかの仕組み」を作り出すことにある。

 たとえば、「出産直後は赤ちゃんが授乳を求めるから、人前に出て行けないのでガマンする」というのが、15年以上前なら常識だった。

 しかし、同じようにその悩みで苦しんでるママさんたちが、「電車内などの公共空間で胸は出せないから家にいる」という不当なガマンを無くしたいと考え、授乳していても赤ちゃんが寝てるようにしか見えないデザインの授乳服を作り出し、販売を始めた。

 それが、今でもつくば市を拠点に事業を展開している「Mo-House」だ。
 彼女たちが起業した当時は、「社会起業家」という言葉は一般には知られていなかった。

 それでも、同じ悩みを持つママにいつまでもガマンさせたくないし、自分も不当なガマンはしたくないという思いが、新しい解決の仕組みを作り、出産直後から自由に赤ちゃんと一緒に家を出られるという「新しいよのなかの仕組み」を生み出したのだ。

 苦しんでる当事者自身が、自分を困らせる不当なガマンや古びた常識に対して「もう、イヤだ!」と不満や不安の声を上げるだけでは、いつまでも苦しみは続く。

 しかし、そこで自分たちの求める理想の解決の姿を具体的にイメージし、それが実現できる商品やサービスを作り出せば、「新しいよのなかの仕組み」は民間の市民自身が生み出せるのだ。

 このように、画期的な発想と事業で「よのなかの仕組み」を変えていく事業を「ソーシャルデザイン」(社会の劇的な制度設計)という。

 ソーシャルデザインは、従来の社会変革とは大きく異なる面があるので、興味がある方はお早めに『よのなかを変える技術 14歳からのソーシャルデザイン入門』(河出書房新書)を読んでみてほしい。

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